個人宅事例 服用コンプライアンス不良に対する事例④
弊社では海老名市を拠点として在宅訪問に特化した運営をしております。
薬局において在宅医療への対応が必要となる中で、実際にどのような事例があるか懸念されていらっしゃることではないでしょうか。
そこで、今回は個人在宅における事例を以下記載致します。
個人在宅医療において介護福祉施設とは異なり、患者様の生活スタイルに合わせた密な多職種との連携が重要となります。
特に現状の確認を薬剤師が日々行うことが難しいため、訪問看護師の報告の中で、
生活背景に対して、医師に薬のご相談をするケースがあります。
【疾患】
パーソナリティ障害、前立腺肥大症
【患者様からのご相談内容】
ここ最近、胸部に違和感があり、収縮期血圧の高数値が続いている状態。
そこで、ニトログリセリンもしくは硝酸イソソルビドを使用することで軽快となるが、胸部の違和感に対して不安に感じていらっしゃる。
【処方状況】
・朝食後 2錠
タムスロシン塩酸塩 0.2mg
アムロジピンベシル酸 2.5mg
・夕食後 5錠
センノシドA・Bカルシウム 12mg 2錠
酸化マグネシウム 500mg 2錠
リスペリドン 0.5mg
【状況確認】
胸部発作に対して、ニトログリセリンを使用して軽快。
また、普段も血圧が高い状態のため、硝酸イソソルビドも使用することもあった。
そのため、ここ最近の胸痛発作は、冠動脈疾患が起因であるのではないか。
【考察】
・冠動脈疾患は、家族歴が否定できない
・ここ最近の血圧上昇
・ニトログリセリンを使用したら症状が改善した
これらを踏まえて、狭心症が隠れているのではないか。
【提案内容】
往診に同行の際、ヒアリングした際、ご本人より、家族に狭心症の人がいることが発覚。
そこで、アムロジピンベシル酸とベニジピン塩酸塩は同じCCB(カルシウムチャネルブロッカー)であり、用量としてはいずれも高血圧だけでなく、狭心症にも保険適用のある薬剤。
アムロジピンベシル酸を5mgまで上げれば、心臓の血管のけいれんを抑えることも可能だが、
もともと血圧が高いことも懸念であったため、狭心症に適用のあるベニジピン塩酸塩を開始してはどうかと提案。
ベニジピン塩酸塩は血圧を下げる目的では1日1回で十分だが、狭心症では1日2回使用する薬剤。
そのため、朝夕で服用すれば高圧効果も期待できるのではないかと考えた。
【提案後】
医師の判断により、
アムロジピンベシル酸2.5mg 朝 → ベニジピン塩酸塩4mg 朝夕食後
に変更。
【提案後処方内容】
・朝食後 3錠
タムスロシン塩酸塩 0.2mg
ベニジピン塩酸塩 4mg
・夕食後 6錠
センノシドA・Bカルシウム 12mg 2錠
酸化マグネシウム 500mg 2錠
リスペリドン 0.5m
ベニジピン塩酸塩 4mg
【経過】
服用開始し、胸痛の発作はなく、経過は良好。
以上
今後とも在宅訪問において患者様の生活の質の維持向上を目指して取り組んで参ります。
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